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六甲山の学び

“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.

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2021年6月4日

植物たちの生きる戦略

今日(6/3)の午前9時の気温は標高約800mの記念碑台でも19℃。

梅雨の湿気も加わって、少し動くと汗ばむ季節になりました。

植物たちの開花は、モチツツジやヤマツツジなどのツツジ類主役から、アジサイ類主役へちょうどバトンタッチの時期です。

今日は、記念碑台周辺で、今咲いている植物たちの生きる戦略を観ていきます。

記念碑台の駐車場脇に咲き始めているのは、この花です。

白い花と少しピンクがかった花の色ですね。これは、ハコネウツギ(スイカズラ科)と言います。

この花の色は、始めは白色なのですが、だんだんアントシアンという色素によってピンク、そして赤色に変化します。

赤色と白色の花をクローズアップします。

この二つの花を比べると、白色の花の方が、形が整っているでしょう。赤色の方は、今までに虫がよく訪れたので、蜜が減って、受粉も終わり赤色に変わってきたのです。

虫(全てではありませんが)の眼には、赤色より白色がよく見えるようです。白色は、「まだ蜜がありますよ、虫さん来てくださいよ」と呼び掛けているのです。

ハコネウツギの戦略、色戦略ですね。

 

地面にたくさんの黄色い花を見つけました。

これは、ジシバリ(キク科)と言います。漢字では、“地縛り”と書き、茎をどんどん這わせて枝分かれし、地面を縛るかのように増えていきます。

昔は「畑にジシバリ、田にヒルムシロ。」と言って、やっかいな雑草だったようです。

ジシバリは、4月ごろから咲き始めるのですが、黄色の花は、春先に特に多いようです。

それは、春先に黄色い色を好むと言われているアブが、早く活動し始めるからです。

だから、黄色なのですね。これもアブを呼ぶ色戦略ですね。

 

次は、白い樹木の花です。雄しべが長いですね。

これは、タンナサワフタギ(ハイノキ科)と言います。

記念碑台の近くの二つ池というところにたくさんこの木はあるのですが、そこでは、あまり花を咲かせません。

高い針葉樹林帯の下で木洩れ日しか当たりにくいからでしょう。

ヴォーリス山荘付近の日光のよく当たる所は、この写真のようによく咲いています。

この樹木は、日光を少しでもよく浴びようと枝を水平に、テーブル状に伸ばしていきます。

これは、日光浴び浴び戦略ですね。

 

最後は、これからの季節の主役登場です。

今、咲き始めたばかりです。この写真でも、まだ蕾が多いですね。

コアジサイ(アジサイ科)と言います。アジサイの中では、一番早く咲く種類です。

これは、アジサイの花によくある飾り花がありません。

飾り花があると虫たちに目立って、虫たちをよく呼ぶことができます。

コアジサイはその飾り花がありませんが、とっておきの作戦を持っています。

それは、香り戦略です。

コアジサイがたくさん咲き始めると、その周辺は、何ともほんのり甘い香りに包まれます。

その香りにつられて、虫たちがやってくるのです。

コアジサイは、来週、再来週あたりが、いい香りを放ってくれそうです。

ぜひ、六甲山記念碑台に訪れてください。