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“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.

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2022年9月2日

霧が谷の初秋の自然は?

今日、9月2日の六甲山記念碑台の天気は良好。午前10時の気温は20℃と、これまた最適。

今日は、自然観察コースの一つである霧が谷へ向かうことにしました。信号を渡り霧が谷の入り口では、ボタンヅル、イタドリ、ツユクサ、ガガイモ、センニンソウの花々が一斉に迎えてくれます。少し歩くと、ヤマジノホトトギスやゲンノショウコ、ヨシノアザミなども咲いています。最近咲き始めた黄色の花を見つけました。

コセンダングサ(キク科)です。センダングサの仲間はたくさんありますが、引っ付き虫の実は、共通ですね。

花のまわりに舌状花という部分がなく、菊の花の真ん中の黄色い部分だけがあるのが特徴です。この花は、一つ見つけると、その近くにたくさん同じ花を見つけることが多いです。かたまって咲くのが好きな花なのですね。

つる性の花たちも新しく咲きだしました。

まずは青紫色の花です。

ヤブマメ(マメ科)です。やぶに生える豆ということですね。

次のつる性は、小さな花なので、うっかり見落とすところでした。

花の直径は、約3mmです。アカネ(アカネ科)です。茎はざらざらで、触るとひっつくように感じられます。それで何かにからまって伸びていくのです。アカネの根はオレンジ色ですが、その根を乾かして臼でつぶして煮た液に、灰汁で処理した布を入れると赤く染まるそうです。赤く染まるので、赤根ですが、漢字では茜と書きます。この花も一つ見つけると、目が慣れてきてそこら中にたくさんの花があるのがわかってきます。

秋の七草のつる性の花がありました。

クズ(マメ科)の花です。この花を見て、順番に咲いていくのがわかるでしょうか。上の方はまだつぼみです。

真ん中がちょうど満開で、下の方は、もう咲き終わっています。順番に咲いていくメリットがあるのですね。順番に咲くと結果的に長い期間咲くことになります。他の株のクズの花粉を受粉するということからもいいのでしょうね。よく考えていますね。

また、紫色の花がありました。

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)です。これは、全草毒草ですが、神戸市のレッドデータの花です。花の模様は、きっと虫たちに花のありかを分かりやすくしているのでしょう。花の後ろの方に、クルクルっと巻いているのは、距(きょ)と言って、ここに蜜を貯めているのです。だから、虫たちは、ここまでいかなければ蜜にありつけないのです。

ここで、今日の紫色の花をちょっと思い出してください。ヤブマメ、クズ、ツリフネソウですね。共通点がないでしょうか?それは、どれも花の構造が複雑になっているということです。ということは、蜜のありかを探し出して吸うことができる虫だけに、蜜をあげよう、という作戦なのですね。

そう言えば、紫色の花は、複雑な形の花が多いように思いませんか?

複雑と言うことでは、面白い形の花を発見。

ホドイモ(マメ科)です。これもちょっと紫色がありますね。マメ科の花の表情は、面白いですね。

しかし、黄色のノササゲというマメ科の花も咲きだしそうにしていました。

花の色と形のことを見てもミステリ―なことが多いです。

記念碑台でのガイドハウスでは、土日祝日の11時~と1時30分~の2回、自然観察会(自然探索ツアー)を行っています。ぜひ、秋の花を見に来てください。

 

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