“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.
2017年7月16日
六甲山ガイドハウス前に植栽されているナツツバキの花が咲き始めました。
別名シャラノキ(娑羅樹)
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」は、
よく知られた平家物語の冒頭ですが、
これに続く「沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす」の
沙羅双樹は、このナツツバキあるいはヒメシャラと言われています。
白い花が落ちると徐々に褐色に変わっていく様子を、
盛者もいつかは衰えていくことに例えたものなのでしょうか。
ただし、沙羅双樹はインドの高地などに生育し、
熱帯性の樹木のフタバガキ科の木本で、全く別種です。
こちらは、日本の気候風土では育たないそうで、
そこで、いつのまにか沙羅双樹といわれるようになったようです。
万葉集には、「娑羅双樹」としてあり、
また、江戸時代の貝原益軒編纂の「大和本草」には、
「本当に沙羅双樹であるかは不詳である」として「沙羅樹」が現れています。
材は、床柱や器具材として利用され、
また、樹形が整い涼しげなので庭木としても好まれます。
ナツツバキ(夏椿)
ツバキ科ナツツバキ属
学名:Stewartia pseudocamellia
ツバキに似た清楚な花は、花弁の縁に細かいぎざぎざが入っています。
この花は一日花で、せっかく開いても一日で花を落とします。
これが「盛者必衰の理を表す」と続く所以なのかおしれません。。。
そんな詮索はさておいて。。。
鮮やかな緑の葉に涼しげな白い花はとても美しく、
しばし暑さを忘れさせてくれるひとときでした。
標高の高い六甲山では、平地より少し遅れて咲く、ナツツバキ。
夏の一時期に味わえる儚き花の風情を楽しみに、六甲山ガイドハウスへお越しください。
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