六甲山ビジターセンター Mt.Rokko Visitor Center

六甲山の学び

“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.

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2021年5月26日

遠くを観れば、近くを観れば

『ここ(六甲山記念碑台)から大峰山系が観えるよ』

とビジターセンターで一緒に駐在の親愛なる先輩が目を細めながら説明してくれたのは、

冬の空気が澄み切った少し風のある日でした。

今日(5/26)の記念碑台からの眺めは、少し風はあったもののとても遠くまでは見通せませんでした。

直線距離約80kmを超える奈良県の大峰山系ですからね。

転じて、近くを観ようと記念碑台から霧が谷方面のコースへ向かいました。

何かヒサカキの葉の上にいる。

これは、チョウでしょうか?ガでしょうか?

名前を聞くとすぐわかってしまいます。

キンモンガ(アゲハモドキガ科)というので、名前から蛾ということが分かりますね。

では、この写真を見て、名前を聞く前に分かる方法は、あるでしょうか?

それは、蛾は、羽を水平または屋根型に開いて止まります。蝶は、羽をたてて止まるんです。

また、蛾は、主に匂いを頼りにやってくるので、ヒサカキから匂いが出ていたのかもしれませんね。

このコースの一番下あたりで、頭上に白い花を見つけました。

白い花びらみたいなのが1枚ずつ見えますね。それが特徴のイワガラミ(アジサイ科)です。

つる性で、どんどん登っていき、上の方で葉をたくさん茂らせると花が咲きます。

下の方から登っていく間には、花を咲かせません。

登っていくことにエネルギーを使って、花を咲かせる余裕がないのでしょう。

つる性の植物は、そういうのが多いようです。

また白い花を見つけました。いや、淡いピンク色も混じっています。

ハコネウツギ(スイカズラ科)です。

この花は、最初咲いたときは白色で、だんだん色素のアントシアニンの影響で、ピンクにそして赤色になっていきます。

だから、この木は白色が多いので、まだ咲き始めですね。

この花をよく見ていると、飛んでくる虫たちは、白色や淡いピンク色の花をよく訪れます。

赤くなった花は、あまり訪れません。どうしてだと思いますか。

それは、白色や淡いピンクの花の方が、蜜が多いということを虫たちが学習しているからだそうです。

今度は、小さな黄色い花を見つけました。

双眼鏡を逆さまにしてのぞくと、虫メガネのようになるのはご存知でしょうか?

花の直径は、1cm程。コナスビ(サクラソウ科)と言います。

五角形で、雄しべがちょこんと広がって、なんとも可愛らしい形です。

花の割に太い茎が、地面に横たわっているのがよく分かるでしょうか?

この茎が四方八方に広がって増えていくのですね。

もっと小さい花らしきものを見つけました。

やっぱり双眼鏡を逆さまにして見ないと何か分りません。

これは、なんと花の直径は、約1~2mmぐらいです。

葉が4枚あるので、ヨツバムグラ(アカネ科)と言います。

茎もよく見ると四角形なのが分かりますか?

こんな近くで見すぎると、また遠くを観たくなりますね。

今夜は、月食です。遠くを眺めるよい機会です。

大峰山系が観えることを教えてくれた先輩もきっと観ていることでしょう。

今日観られなかったら、次回は、皆既日食に近い部分日食が11月19日にあります。

 

六甲山へ、近くも遠くも観に来てくださいね。

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