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2022年12月13日

冬の小さな観察の楽しみ

今日(12月13日)の午前10時のガイドハウスの気温は、6℃。明日から寒くなるとのこと。

そんな冬の樹木観察で小さな楽しみを紹介します。

これは、何だかわかりますか?

木の枝の先ですね。この表情を見るのが冬の楽しみです。これはミズキ(ミズキ科)という樹木です。漢字で水木と書きます。早春のころに、この枝を切ると水がしたたり落ちるのでその名前になったのです。六甲山では比較的標高の高い所に自生しています。この枝先を冬芽と言って、来年の春になると枝や花や葉が出てくるのです。木の命が詰まっていると言ってもいいでしょうね。だから、寒い冬の間は硬いうろこ状のもので守っているのです。

こんな冬芽もありますよ。

ナワシログミ(グミ科)と言います。先ほどのミズキとは、ずいぶん表情が違いますね。表面は褐色の毛で覆われています。この冬芽はウロコではなく、毛で守っているのです。ナワシログミは、冬も葉を落とさないのですが、冬芽はしっかり見えています。花は10月~11月ごろで、実は5月~6月ごろなので、一般的な植物とは反対のように思えますね。

次の冬芽は、双子さんです。

この双子さんの冬芽は、オオモミジ(ムクロジ科)です。よくあるイロハモミジも双子の冬芽です。双子を見つけるとだいたいモミジの仲間だな、とわかります。赤く見える部分は、硬いうろこ状のもので守られています。

次は、二つの冬芽を比べてみてください。どちらも記念碑台の駐車場にありますよ。

左がコブシ(モクレン科)の花芽で、右がタムシバ(モクレン科)の花芽です。樹木によっては、冬芽の中に花と葉が別々になっているものがあります。上の写真は、花の赤ちゃんが入っているので花芽です。どちらも毛がフサフサですね。

六甲山に、コブシは自然にはないようです。春先に六甲山に白い花が遠目にたくさん見られるのは、タムシバの花なのです。

花芽があるなら、葉芽もあるはずですね。

左は、コブシの葉芽で、右は、タムシバの葉芽です。花芽のようなフサフサな毛はありませんね。コブシの葉芽は、少し毛がありますが、タムシバの方は、毛がありません。

というように、冬の小さな観察の楽しみがあるわけです。

冬山を歩きながらの冬芽観察もいいですよ。

楽しみを一つ増やしてみませんか。

 

 

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