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六甲山の学び

“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.

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2023年10月24日

多様な実とラストランナーの花たち

六甲山記念碑台にあるガイドハウスの午前10時の気温は、14℃。風はあまりないので日差しがあればいい気分。そろそろ六甲山の上の方は、花も少なくなってきたのでは・・・と思いながら散策開始。

遠くに白いかたまりが見えてきたので花かなあ、と近づくと、

イタドリ(タデ科)で、よく見ると・・・

真ん中に黒いタネができてきているから、実でした。この実には3つの翼(よく)がついていて、強い風がふくとタネを遠くに飛ばしてくれるのですね。イタドリという名前は、この草が薬に使われ、痛さをとってくれるということから、痛さをとるで、イタドリになったようだ。

植物たちは、できるだけ遠くに自分のタネを飛ばそうと工夫している。

すぐ近くに、その工夫を見つけられましたよ。

左上の赤い花がゲンノショウコ(フウロソウ科)です。そして、右下の黒くとんがっているのが実です。タネは黒くとがっている付け根に5個ついています。これがどうなるかは、となりの株でわかります。

これは、タネを飛ばした後の実が多いです。お神輿の屋根にある形に似ていますね。なので、別名ミコシグサとも言われています。ツルンと実の皮が反り返ってタネを飛ばすのです。

反り返ると言えば、近くに代表選手がいました。

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)です。花の前に、緑色で膨れているのが、ツリフネソウの実です。こんなに膨れてくると何かに当たったりすると弾けます。弾けると・・・

どちらも実からタネが飛び出した後です。実の皮がよく反り返っているのが分かると思います。タネをできるだけ遠くに飛ばそうとする進化の過程でこうなったのですね。すごいことです。

実ばかりでなく、花は咲いていないかなあ?と思っている所に、何やら飛んできて道にとまりじっとしています。

ヒメアカタテハ(タテハチョウ科)です。寒くなってきた六甲山でも日が当たっているコンクリートの表面は暖かいのでしょう。羽根を精一杯伸ばしながら暖をとっているのですね。だいぶ近づいても逃げませんでした。「お~い、静かに温まらせてくれよ。」との声が聞こえてきました。

そうそう花は?花は?

ミカエリソウ(シソ科)が、辛うじて咲いていました。もう終盤でした。ミカエリソウは、なぜか葉っぱがよく食べられているのですが、ここのミカエリソウの葉っぱは、まだましな方でした。

青い小さな花も咲いていましたよ。

アキチョウジ(シソ科)です。インドネシアで咲く丁子(チョウジ)という木の花と同じように胴長の花で秋に咲くので、アキチョウジという名前になったようです。ガイドハウス出発の探索ツアーでは、空池コースで見られます。

もう一つ、ラストランナーの代表選手が咲いていました。

リンドウ(リンドウ科)です。草原の陽だまりに、「ここにいるぞ!」と呼びかけられた気分です。

中国からきたリンドウの根はとても苦く、健胃効果があるようです。それまで日本で最高級の苦いものは、熊の胆でしたが、それよりも苦いということで、竜胆(りゅうたん)と名付けられたようで、それが訛って、リンドウという名前になったようです。

ラストランナーの花々たち。最後の力を振り絞っているから輝いてみえるのでしょうか?

今なら間に合いますよ。ぜひ記念碑台にラストランナーの花々を見に来てくださいね。

 

 

 

 

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