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2016年8月28日

ゲンノショウコの花とチョウが吸蜜に訪れているクサギ(六甲山の生き物歳時記第10回)

8月23日は、二十四節気では「処暑(しょしょ)」でした。
「処」とは止まることで、暑さが峠(とうげ)を超える頃の意味です。
しかし、今年は例年以上にきびしい暑い日が続いていますが、空を見上げると「ひつじ雲」や「いわし雲」なども見られるようになり、秋の気配がどこからともなく来ていることがわかります。
8月28日(日)午前10時、ガイドハウスの気温は、23.5度で、曇りがちでやや涼しくなり、登山日和です。

群生するゲンノショウコ(本館前)


                           
自然保護センター本館前のスロープで、ゲンノショウコ(フウロソウ科)の花が咲いています。名の由来は、「現の証拠」で、飲むとすぐに下痢がとまり、薬の効果があわれることによります。別名はミコシグサで、開裂した果実の形が神輿(みこし)の屋根に似ているためです。                         
開花時期は7~10月、現在は見頃で、白又は紅紫色の直径1cmほどの5弁のかわいい花が咲いています。東日本には白花、西日本には紅花が多いようですが、本館前では、どちらの色も見られなかよく並んで咲いています。

紅花と白花が並ぶ拡大写真

多年草で、山麓や山上にかけての草地や道端などに生えています。

また、六甲山で私のお気に入りの植物は、「クサギ」です。クマツヅラ科の落葉小高木で、山麓から山上にかけての林縁や谷筋、伐採跡地などの日当たりのよいところに生えています。

白いよい香りのするクサギの花

お盆の頃から、枝先に集散花序を出し、ジャスミンに似たよい香りがする白いきれいな花をたくさん咲かせています。アゲハチョウなどチョウの仲間が吸蜜に訪れているのをよく見ることができます。「クサギ」の由来は、枝葉に触れると臭いを放つので「臭木」、昔は、若葉を食用として利用していたそうです。
花の後は、実は秋に熟し、ガクは紅紫色に輝き、星の形に開きます。その中心に、小豆大の実があり、あさぎ色から青を経て藍色になり、宝石のように光り、注目すべき草花です。

きれいに色が変わるクサギの実

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