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2016年3月6日

早春の煌めき 林床の妖精

3月6日(日)今朝の六甲山上記念碑台 ガイドハウス裏の気温は11℃。
ずいぶんと暖かになってきましたが、
日中は曇り空であまり気温が上がらず、お昼頃は13℃でした。
昨日、3月5日(土)は二十四節気の啓蟄。
冬籠りの虫たちが這いだしてくるころとされています。
実際に虫が活動を始めるのは日平均気温が10℃を超えるようになってからで、
虫が冬眠から目覚めるとそれを補食する小動物も冬眠から目覚め動き始めます。
しかし春の遅い六甲山上の記念碑台周辺では、
木々の冬芽が少しずつ膨らんできているものの、まだ冬の気配。
でも、哺乳動物は動きが活発になって来たのでしょうか。。。
アカマツの木の上でリスがマツボックリをかじっている姿が見られました。

昨日、六甲山記念碑台周辺ではありませんが、
六甲山北麓の林床に咲く小さい白い花を見に行ってきましたのでご紹介いたします。

セリバオウレン (芹葉黄連) キンポウゲ科 オウレン属 学名:Coptis japonica.
山林の木陰に自生する多年草で、名前は、葉がセリの葉に似ていること、
オウレンは黄連と書き、根茎が玉の連なった様な形で、
断面が橙黄色をしていることに由来しているそうです。

早春に可憐な花を咲かせるセリバオウレンは、雌雄別株。
雌花、雄花、両性花があるのですが、雌花はなかなか見られません。

咲いている花の中で もっとも多く見られるのは、雄花をつけた株。
細長く先のとがった白い花びらのように見えているのはガクで、
その横の小さなスプーンの様な形をしてる方が、花弁。
花は真っ白でとても綺麗です。
薄暗い林の中で咲く、花の大きさは、直径1cmほどで、
肉眼だと、枯れ葉の中に埋もれるように咲いて、小さく地味な花です。
雄花の雄しべは、花粉を出す前は中央に集まっていますが、花粉を出し始めると、
外に向かって倒れていき花火のように雄しべを広げていきます。
花弁の数やガク片の数、シベの数も不定だそうで、何とも不思議ですね。

こちらは両性花です。

スプリング・エフェメラルではありませんが、
雰囲気的にはまさに“妖精”と呼んでやりたくなるほど、
小さくて実に愛らしい姿をしています。
星を散りばめたようにも見え、
木漏れ日の中で光を浴びて、キラキラ輝いていて
早春を謳歌しているようでした。

花言葉は「揺れる心」だそうです。

神戸では珍しいセリバオウレンの群落。
神戸市レッドデーター Cランク
ごく限られた場所にしかないから、
植物園以外では、見たことがないという人も多いかもしれませんね。
薄暗い林内で可憐に今年も咲いてくれたセリバオウレン。
自然は何事もなくその営みを繰り返し、
自然界の巡る季節をすかさず読み取る営みの逞しさには、
いつもながら感じ入るばかりです。

三寒四温を繰り返し、次はどの花に会えるか とても楽しみな季節になってきました。

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