“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.
2021年5月3日
六甲山ビジターセンター及びガイドハウスは、新型コロナ感染拡大を受け、緊急事態宣言発令ということで、ただ今休館中。
しかし、植物たちの営みは、少しの休みもありません。植物は強しです。
記念碑台からダイヤモンドポイントに向かって歩きました。風は涼やかで絶好の山日和でした。
標高約800m近い山上付近では、遅咲きのカスミザクラが終わりに近く、とうとう今年のサクラも見納めです。
もう春の花は残り少ないかなあ、と思いながら下を見ながら咲いている花を探しました。
スミレたちも色あせてきているなあ。
今、一番目につくは、これでした。
チゴユリ(イヌサフラン科)です。漢字で書くと稚児百合。写真では大きく見えますが、花の直径は2cm以下とかわいいのです。
そんなに小さいので、稚児と名前がつきました。俯き加減の花は、花びら6枚、雄しべ6本、雌しべ1本です。
今、あちこちに咲いています。
次に見つけたのも、小さな花です。でも花びらは5枚、雄しべ5本、雌しべ1本です。
これもかわいいでしょう。セントウソウ(セリ科)と言います。
戦闘ではありませんし、銭湯でもありません。
春になって最初に咲く花ということで、先頭に咲くという説もありますが、
漢字では、仙洞草と書きます。
仙人が住む仙洞のような所によく生えているからということらしいです。
六甲のこの辺りは、昔仙人が住んでいたのでしょうか?
というように植物の名前の由来は、諸説あるのです。
どれを信じるかは、人それぞれが感じるままでいいでしょう。
今度は、花ではなくて、タネに注目です。
小さなタネが分かるでしょうか?小さなタネたちが、丸い食器の中に納まっているように見えますね。
これは、ヤマネコノメソウ(ユキノシタ科)です。
このタネの散らばり方がおもしろいのです。
この写真は、真上から撮ったのですが、ということは、雨が降るとこの食器めがけて雨粒が落ちていきます。
その雨粒の落ちる反動で、タネたちが飛び出ていくのです。それで上に向いているんですね。
さてさて、視線を上に移すとつる性の花も盛りです。
これは、実ができると甘くて美味しいつる性のアケビ(アケビ科)の雌花です。直径は3cm近くあります。
それに対して、雄花は、直径が約半分の1.5cmぐらいです。上の雌花と下の雄花を比べて見てください。
花びらに見えているのは、実は3枚のガクで、色は、白に近いですね。
実の色も白色です。
だから、朱美(アケビ)という名前の由来は、納得できませんね。
それよりも
アケビというのは、秋に楕円球形の実が、パカッと開くので、“開け実”がアケビになった方がよさそうです。
このアケビの葉は、掌状複葉と言って5枚なのです。
色違いのそっくりな花を、見つけました。これもつる性です。
花の色と大きさが違うのですが、これは、ミツバアケビ(アケビ科)と言います。
ミツバですから、葉は3出複葉と言って3枚です。
写真の中央が雌花で、その後ろ側が雄花です。
どちらも濃いい紫色です。大きさは、雌花・雄花それぞれアケビの花の直径の半分ぐらいです。
実も、白ではなく紫色です。
アケビよりもさらに美味しいと言われる実がなる植物を見つけました。これもつる性ですよ。
ムベ(アケビ科)です。この実は、アケビのように勝手には開きません。
名前の由来は、天智天皇が、近江で、不老不死の秘訣として差し出された果実を食し、「むべなるかな」と頷いたからと
言われています。だれが聞いていたんでしょうね。
これらの実がなる頃が楽しみです。その頃には、感染者が減り、堂々と六甲山へ登れることを願っていますよ。
そして、実を食べて「ムベなるかな」と言いたいものです。
植物たちは、待っています。植物たちは強しですね。
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