六甲山ビジターセンター Mt.Rokko Visitor Center

六甲山の学び

“Facility introduction”, “Guide tour”, “HighKing trail” is translated into English.

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2023年4月11日

春花探索隊・・・見つけました

今日は、夏日に近い気温であるとの天気予報だったので、軽装で六甲山ビジターセンターに来ましたが、午前10時の温度は、なんと11℃。霧が立ち込めて風も吹くのでじっとしておれないくらい。しかし、なんと言ってもいい季節、春見つけに出かけました。

道ばたには、スミレがよく見られます。

うす紫色の花で葉っぱの形は、丸く見ての通りです。タチツボスミレ(スミレ科)です。写真を見るとわかるように、花の後ろ側は、距(きょ)という突起があります。そこに蜜を貯めているのです。花びらに蜜標という線の模様がありますが、ハチたちはそれを目標にやってきます。そして蜜を吸おうとすると、どうしても花の中に、頭を突っ込まなければなりません。そうするとたっぷり花粉がつくのですね。スミレさん一本とりました!!ですね。

今度は、先ほどのタチツボスミレがたくさん咲いている岩場がありました。どうしてこんな岩場のような所に多いのでしょう。それは、蟻さんの通り道だからです。スミレは、蟻の喜ぶ甘いエライオソームという物質を種につけて、蟻さんに運ばせるのです。エライオソームを食べた蟻さんたちは、いらなくなった種を捨てに行くところが、ちょうど蟻の通り道なのですね。そうやってスミレたちは、自分たちの子孫を広げているのです。ここでもスミレさん、一本です!!

違うスミレも記念碑台周辺にあります。

ニオイタチツボスミレ(スミレ科)です。少し先ほどのタチツボスミレより花の色が濃く、花の顔立ちもシャキッとしているように思えます。これにも蜜標も距(きょ)もありますね。地面に這いつくばって花に鼻を近づけるとほんのり甘い香りがします。虫たちはいい香りに引き寄せられるのでしょうか?

また、ありましたよ。

今度は、紫色というよりは、ピンク色が優っている色のシハイスミレ(スミレ科)です。少し葉も分厚い感じがして、葉の裏は紫色です。だから、シハイスミレのシハイは、紫背と書きます。葉の背中が紫色と言った意味合いでしょう。他にも、六甲山に咲くスミレの中では、一番遅いツボスミレ(スミレ科)も咲きかけていました。今年はいつもより咲く時期が早いようです。

地面を見ながら歩くとこの花にもよく出会う時期です。

ショウジョウバカマ(シュロソウ科)です。どちらの写真も3つの株がせまそうに肩寄せ合って咲いています。

これは、ショウジョウバカマの生きる戦略がわかるのです。ショウジョウバカマは、細長い葉ですが、その先が地面に着きますと、そこから根がでて増えていくのです。クローンの株ができるのです。だから、こんなに肩寄せ合っているのかもっしれませんね。

花をアップすると、

花がたくさん集まっていることがわかるでしょう。一つの花は、花びらが6枚です。いくつの花が集まっているのでしょうね。

次は、木の花にも目を向けることにしました。

この花の場所は、ぜひ記憶にとどめておいてほしいです。

下を向いて咲いている白い花は、ナガバモミジイチゴ(バラ科)です。一斉に下を向いて咲いているので一度見ると忘れないとは思うのですが・・・。この花の場所を覚えておいてほしいのは、このイチゴがとてもおいしいからです。オレンジ色のこのイチゴは一押しでおすすめです。5月の終わりから6月の始めあたりにぜひ試食してくださいね。

最後は、この木の花です。

オオカメノキ(ガマズミ科)です。飾り花として周りに5枚の白い装飾花があります。でも、本当の花は、真ん中にあります。ガクアジサイに少し似ていますね。葉はまだ出ていませんが、葉の形が亀の甲羅に似ていることからオオカメノキのいうそうです。別名、ムシカリですが、この葉がよく虫に食べられるからだそうです。この木は大木が多く、なかなかこんなに近くで花を見ることができないのですが、この木はまだ小さいので、下の方でも花をつけているのです。

俳句の春の季語で、『山笑う』とありますが、六甲山上は、正にそれに相応しい季節です。六甲山で笑う自然を見に来てくださいね。

 

 

 

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